美しき光の舞

  ・ぎあに


涼を求めて蛍狩りに出かけました。


日本舞踊の振りの中に、蛍が足元の草むらから飛び立ちそして去っていくのを見送るという場面があります。他にも蛍を追いかける振り付けがされている曲がありますが、蛍は下から上へ「くの字」を書くように飛ぶということで、振りも下から上へジグザグにそして次第に遠くへとフワリと動くような所作になっています。

風情があってとても好きな振りですが、実はわたし実際に蛍が飛ぶのを見たことがありませんでした。


夜8時、里山に到着。山道を登って蛍の棲む水辺へと向かいます。
夕立のあと暗く足もとの悪い坂道を、滑らぬよう逸れぬようにと夫に手をひかれて登りました。温かさが手に伝わって、ふと ずーっと昔に父親に手をひかれこんな所を歩いたことを思い出しました。(50年ぐらい前のことで忘れましたが広島でお父さんと蛍を見たかも・・・・・)

蛍のいる所に近づくにつれ、にぎやかだった子供連れの人達も静かになり、灯りも消して目を慣らしてそーっと歩きました。


  感動!


黒いシルエットの景色に美しい光の舞です。
足元から くの字に立ちのぼる光、遠くを横にツーっと光の糸をひくもあり、またたくものもあり、夢のようでした。

すぐ近くの草にとまった蛍の光は意外に明るく、「蛍雪」という言葉がありますが、たしかに何匹か集めれば本も読めますね。


この自然環境がいつまでも守られますようにと祈り、また来年も蛍に会いに来ようと思いました。

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