週末は、エジンバラ市内の劇場や学生が運営する劇場へ、芝居を観に出かけています。

今まで観たなかでは、市内の比較的大きな劇場で観たマクベスよりも、学生が運営する小さな劇場で観た、学生の即興劇グループの芝居や、同じく学生が演じたイタリア劇のAccidental Death of an Anarchistの方がおもしろかったです。小さな劇場のため、役者と観客との距離が近いです。

特に即興劇では役者と観客との交流が多く、途中で何度も観客が題を与え、役者がそれに応じた場面を演じます。最後に必ず行う、即興の訓練で定番の"フリーズ"というゲームでは(二人の役者がある場面を演じている途中で、別の役者がその場面をとめて、どちらかの役者と交替し、全く別の場面をはじめるもの)、手をあげた観客も舞台に乗って、即興を楽しみます。

こちらの劇を観てまず感じたのは、プロの劇にしても、学生の劇にしても、観客がよく笑うということです。

かなり大きな声で笑います。少しでもおもしろい場面があれば、それ!今だ!という感じに、一斉に爆笑します。隣のひとと顔を見合わせて笑います。

そうなると、もう内容が分かるとか分からないとか、そういうのはどうでもいいような気がしてきます。学生の劇もプロの劇も変わりない、この劇場特有の、笑いの渦や、ともに過ごすあたたかな時間を楽しむために、人々は芝居を観に来ているような気がします。

そして芝居が終わると、その余韻を笑顔のなかに残して、それぞれに、「楽しかったね」「おもしろかったね」「あの役者、最高!」と席を立ち、夜の道を帰っていきます。